日本語資料雑記

更新日:2024年3月23日

私が図書館や古本屋等で見かけた,日本語で書かれた文献を雑に列挙します(ほとんど個人の備忘録みたいなものです.よく引用されるものやとても有名なものは少し勉強すればわかるはずなのであまり入れていません).現状日本語で読むことができるモノグラフ的文献は極めて少なく,初学者が日本語で書かれた文献だけを読んでコンピューティング史の研究をするのは,とても難しいでしょう.以下に列挙するものはひょっとしたら何かの役に立つのかもしれませんが,基本的には英語文献を中心に読むのが良いと思われます.また,以下の全てをおすすめしているとは限りませんし,コンピューティング史と直接関係のない文献も含まれていることでしょう.

一次資料的

* ノイマン『自己増殖オートマトンの理論』,岩波書店(2015年)
* 『知識人の大移動 亡命の現代史3』(ノイマン,シャノン)
  * 翻訳は広重徹だったような.
* 『ダーウィンを数学で証明する』
  * 進化論周辺について乱読しているときに,ノイマンの"The General and Logical Theory of Automata"が翻訳されているのを見つけた.ちゃんと読めていないが,論文の一部分だけを翻訳したのだろう.
* 『自己増殖オートマトンの理論』高橋秀俊監訳
* バークレー『人工頭脳』高橋秀俊訳
  * 早稲田の図書館には少しだけ離れた場所に第1刷と第6刷がある.
* 高橋秀俊『数理と現象』
  *  中身はさておき,「計算機の哲学」という章立てで40ページ弱書いている.
* コロモゴルフ『学問と職業としての数学』
  * コロモゴルフは確率論のイメージが強いかもしれないが,とても広範囲の研究業績がある.数学基礎論やソ連におけるサイバネティックスなどでも注目すべきであろう(cf. ブラウワー=ハイティング=コルモゴロフ解釈).本書でも,「現代の計算機科学とサイバネティクス」という項や「サイバネティクスと言語」という項がある.
* K.Steinbuch『オートマトンと人間<情報\UTF{FF0D}制御\UTF{FF0D}認識ー学習ー意識ーサイバネティクスの世界>』
* L.テプロフ『機械は未来を予言するーサイバネティクス物語』
  * イラストが多く比較的読みやすい.巻末の文献案内が充実しており,ソ連におけるサイバネティクスを研究する際には是非確認した方が良いだろう.
* J.R.ピアーズ『サイバネティックスへの認識ー情報理論とその展望』(1963年),『記号,シグナル,ノイズ:情報理論入門』(1988年)
* イェ・サパリーナ著,伊吹二郎訳『人工頭脳と天才たち』(1968年)
* Hans Moravec著,野崎昭弘訳『電脳生物たちー超AIによる文明の乗っ取り』(原書は1988年)
  * 原書の長めの謝辞は翻訳では割愛されている.
* E.W.ダイクストラ,浦昭二・土井範久・原田賢一共訳『プログラミング原論\UTF{FF0D}いかにしてプログラムをつくるか』
  * この本に限らないが,ダイクストラはプログラミングをartとしてではなく,学問として位置付けようとした
* N.ヴィルト『系統的プログラミング』1975年翻訳
* N.ヴィルト『アルゴリズム+データ構造=プログラム』,『アルゴリズムとデータ構造』
  * 後者は前者の改訂版
* 『ワークステーション原典』 
  * エンゲルバードやケイらの文章が所収
* リナース・トーバルズ『それがぼくには楽しかったから』
* ニール・ランダール他『インターネットヒストリー\UTF{FF0D}オープンソース革命の起源』
* 『オープンソースソフトウェア\UTF{FF0D}彼らはいかにしてビジネススタンダードになったのか』
* アラン・ケイ著,鶴岡雄二訳『アラン・ケイ』
  * ケイの論文集など.  
* 『ワークステーション原典』
* 西垣通編『思想としてのパソコン』
  * チューリングやブッシュの論文など
* 『現代思想2012年11月臨時増刊号 総特集=チューリング』
* 『マインズ・アイ』
* ジョゼフ・ワイゼンバウム『コンピュータ・パワー:人工知能と人間の理性』
* 関一夫・中島秀之監訳『人工知能』(チューリング,ブルックス,ヒントン)
* 『現代数学の世界3\UTF{FF0D}数学とはどんな学問か』
  * ポアンカレ「数学的創造」,クワイン「数学の基礎」,「パラドックス」,コーエン,ニューウェルとハーシュ「非カントール集合論」,ネーゲルとニューマン「ゲーデルの証明」,タルスキー「真と証明」など.ジョン・F・パイファーの「記号論理の魔術」で,「記号論理がはじめてビジネスの問題に適用されたのは1936年,エドマンド・C・バークレーによってであった.彼はまた,シンプル・サイモンとよばれる小型電算機の設計者でもあるが,ある保険会社の仕事に記号論理を利用してみたのである.」(p.121)という記述あり.
* 『現代数学の世界5\UTF{FF0D}科学と数学』
  * クーラント,ディラック,F・ダイソン,アインシュタイン,コーエン,ウォーレン・ウィーバー,ウィーナーなど有名人だらけ.
* 『現代数学の世界6\UTF{FF0D}未来社会と数学』
  * モルゲンシュタイン,S.M.ウラム,ジョン・G・ケメニーなどがゲーム理論や,ORやコンピュー田の歴史など書いている.ここでもクリストファー・ストラーキー「システム解析とプログラミング」(1966)でシンタックスよりもセマンティックスをしようと言っている.
* 『情報の世界ーコンピューターのすべてー』南雲仁一監訳,1966
  * サイエンティフィックアメリカンの翻訳.マッカーシー「情報」,I.サザランド「計算機の入出力」,クリストファー・ストレイチー「システム解析とプログラミング」,ミンスキー「人工知能」など.

* John McCarthy,Patrik J. Hayes,松原仁『人工知能になぜ哲学が必要か\UTF{FF0D}フレーム問題の発端と展開』
  * 同じ文章が別の雑誌でも取り上げられていたような記憶あり.1988年ごろの『哲学』かな.
* ミンスキー『計算機の数学的理論』
  * マカロック・ピッツのモデルの説明がしっかりあった記憶あり.
* M.ミンスキー,S.パパート著,中野馨訳『パーセプトロン』(1993年翻訳)
* M.ミンスキー『認知科学の基底』(1986年翻訳)
  * デネットらも書いていたような.
* M.ミンスキー『創造する心ーこれからの教育に必要なこと』(2020年翻訳)
* 『コンピュータ・科学・技術 : 新情報社会の推進技術』
  * ミンスキー,パーリスらのCS観,AI観がよく出ている.
* Arto Salomaa『オートマトン論』
  * Regular Expressionに関する記述が充実している.
* J.T.タウ編『オートマタ理論:その応用』
  * F.Hohn「オートマタ理論の代数的基礎」やR. McNaughton「正則表現入門」など.
* ヒューバート・L・ドレイファス『純粋人工知能批判\UTF{FF0D}コンピュータは思考を獲得できるか』
  * AIの哲学などに興味があれば.
* 『現代思想:特集ー情報としての世界』1986年2月号
 * デネット,ミンスキー,ホフスタッターなど
* ヘネシー『スタンフォード大学名誉教授が教える本物のリーダーが大切にすること』
  * 原題はLeading Matters Lessons from My Journeyだが,人目を引くようなタイトルとなっている.著者はもちろん,パタ&ヘネ(or ヘネ&パタ)のヘネシー.ちょうどパタ&ヘネを読んでいる時に会うことができて嬉しかったため,ここに入れている.
* ロドニー・ブルックス『ブルックスの知能ロボット論ーなぜMITのロボットは前進し続けるのか?』(2006年翻訳)
* ガルリ・カスパロフ『ディープ・シンキング\UTF{FF0D}人工知能の思考を読む』
  * 解説は羽生善治.
* Judea Pearl『統計的因果推論ーモデル・推論・推測』
* Judea Pearlほか『入門 統計的因果推論』
* モーリス・V・ウィルクス『ウィルクス自伝ーコンピュータのパイオニアの回想』
* Thomas R. Dickson著,渡部啓訳『化学と電子計算機 使い方の実際』
* J.S.マーフィ著,森口繁一監訳『図解 電子計算機入門』
  * 訂正的な説明が主で,ほぼ全ページに大きめのイラストがある.
* J.D.ターナー『LLのためのプログラミング』(1970)
  * 原著はProgramming for the Language Laboratory
* ノーマン・アブラムソン,フランクリン・F・クォ『コンピュータ・サイエンス翻訳選書 コンピュータ・ネットワーク』
  * CSの話でネットワークに注意が払われることが少ない気がしたからここに入れた(情報社会という文脈だとよく指摘されている).
* Chin-Liang Chang/R. Char-Tung Lee『コンピュータによる定理の証明』
* 五十嵐滋『演奏を科学する\UTF{FF0D}人工知能が創る音楽,創らない音楽』
  * ホフスタッターやクヌースなど,音楽に関心強い人多いよね.
* 川野洋『コンピュータと美学ー人工知能の芸術をさぐる』1984年
* クヌース『文芸的プログラミング』有沢誠訳
  * クヌースの論文集
* クヌース『至福の超現実数ー純粋数学に魅せられた男と女の物語』
  * クヌースが書いた小説.高校生や大学一年生とかにお勧めできそう.
* クヌース『コンピュータ科学者がめったに語らないこと』
  * 読書家クヌース,宗教について語る.
* 嶋正利『マイクロコンピュータの誕生\UTF{FF0D}わが青春の4004』
* 『数理と情報\UTF{FF0D}数の直観にはじまる』
  * 「数学セミナー」や「数理科学」,「現代数学」の記事をまとめている.北川敏男,杉田元宣,赤攝也,高木貞治,岡潔,彌永昌吉,秋月康夫,小平邦彦,広中平祐などなど
* 足立恒雄『フェルマーを読む』
  * ちょっと違うけど『チューリングを読む』みたいな感じ.
* 紀華彦『計算機科学の発送』
  * 紀華彦は,3人の名字のアナグラムとかだった気がする.そのうちの一人は野崎昭弘だったはず(昔の情処でそんなこと書いていたような,,,).
* 米田信夫,野下浩平『ALGOL60講義』(1970年)
  * 読んでみたい...
* 米田信夫編『岩波講座 情報科学9プログラム言語』(1983年)
* 米田信夫,疋田輝雄,桜井貴文共著『Pascalプログラミング 増訂版』(1990年)
  * 著者の一人は,米田の補題の米田信夫.だが,本書で米田がどの部分を担当したか不明であり,圏論についても当然触れられていない.増訂版で桜井が加わったのかな.
  * 第1章「プログラム言語概説」と第2章「プログラム言語の記述」を米田が記述.
* Edward Feigenbaum, Pamela McCorduck著,木村繁訳『第五世代コンピューター日本の挑戦』
  * 原書,翻訳ともに1983年.第五世代を研究で扱う際の重要文献であろう.著者らは本書を書く前に,日本を訪れ,さまざまな研究室などを訪問している.著者の一人であるファイゲンバウムはチューリング賞を受賞した人工知能研究者であるが,本書には技術的内容はほとんどない.P.デニングがちょろっと出ている.
* 渕一博『第五世代コンピューターへの挑戦』
  * 軽部征夫が,渕の人生や第五世代コンピュータについてインタビュー.物理出身だったんだ.全体で100ページ程度.
* 『進取の精神:沖電気120年のあゆみ』
* 『沖電気研究開発』
* ランダル・ストロス『Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール』(2013年翻訳)
* トム・デマルコ,ティモシー・リスター『ソフトウェアエンジニアリング論文集80's:デマルコ・セレクション』
  * ワインバーグ,ブルックス,リッチー,ベーム,ミルズ,クヌースなどの論文,計12編.
* フリードリヒ・キットラー『ドラキュラの遺言\UTF{FF0D}ソフトウェアなど存在しない』
  * 一次資料枠に入れるのはちょっと変な気もするけど,まあいいや
* トラチェソブロート著,河野繁雄訳『電子計算機理論の基礎』
* モーリス・ド・モンモラン著,山内光哉,大村彰道共訳『プログラム教授法ー教育工学入門』
  * 副題の通り,教育工学におけるプログラミング.文庫クセジュから.
* R.C. Gunther著『最新 ソフトウェアプロダクト・エンジニアリングーソフトウェア製品の開発管理手法』(原著1978年)
* N. ホウクス著『コンピュータ文明』
  * 写真がたくさん
* ケンザル・D・ワイズ著,有沢誠訳『マイクロコンピュータの将来ー20年後の技術と社会』(1981年)
* パメラ・マコーダック著,黒川利明訳『コンピュータは考えるー人工知能の歴史と展望』
  * たまにこの本を元にAIの歴史を記述されることがあるが,本書は歴史の本ではなかった覚えがある.
* ジョセフ・F・トラウブ著,森口繁一訳『コンピュータ社会の課題ー人間とコンピュータの共存』(1987年)
* ジョージ・ジョンソン著,渕一博訳『人工知能の未来はーAIはいま,どこまで人間らしくなったか』(1988年翻訳)
* F.J.クロッソン,K.M.セイヤー共編『情報工学と哲学』(原著1967年)
  * K.M. Sayre「哲学とサイバネティックス」(pp. 3-25)や,F.J. Crosson「記憶・モデル・意味」(pp.135-150),情報理論についての論考など8つ.
* シャノン,ウィーバー『コミュニケーションの数学的基礎理論』長谷川淳役,明治図書出版,1969
  * まだ未確認だが,ちくま学芸文庫以外にもあるようだ.
* Federico Biancuzzi, Shane Warden編『言語設計者たちが考えること』
  * エイホ,カーニハン,サイモン,ミルナー,マッツなど.対談形式だから読みやすいし,内容も面白い.
* ドナルド・アルバース著,好田順治訳『アメリカの数学者たち』
  * ポール・コーエン,ソーンダース・マックレーン,ジュリア・ロビンソン,ウィリアム・サーストンらへのインタビューが日本語で読むことができるのは珍しいのでは.ちなみにマックレーンは,圏論関係以外だと例えば『数学の基礎をめぐる論争\UTF{FF0D}21世紀の数学と数学基礎論のあるべき姿を考える』にも翻訳がある.

二次資料的

* 武田晴人『日本の情報通信産業史ー2つの世界から1つの世界へ』
  * 『モダン・コンピューティングの歴史』の訳者の宇田理や高橋清美らも書いている
* 『日本情報通信史事典 トピックス1854-2022』,2023年
* 『コンピュータの名著・古典100冊』
  * TAPLやシプサの本など,紹介されていないものも当然あるが,重要な書籍が多数紹介されており,人によっては分野を概観するのにも役立つかもしれない.この本の物理学版もあると読んだことがあるが,出会えていない...
* J.キャンベル『文法的人間ーInformation, entropy, language, and life』(1984年翻訳)
  * 情報理論の歴史だった記憶あり.
* 『サイバネティック・ルネサンス』
  * 吉田民人の「大文字の第2次科学革命とその哲学\UTF{FF0D}近代科学の転回と存在論の転回」や,Stuart A. UmplebyとEric B. Dentの,The Origins and Purposes of Several Traditions in Systems Theory and Cybernetics. (1999)を翻訳した「システム論およびサイバネティクスの諸伝統の起源と目的」などが所収されている.pp.30\UTF{2013}31に,システム論とサイバネティクスに貢献した人物が時代別にまとめられた表がある.
* 『人工知能グラフィックヒストリー』
* Michael Wooldridge『AI技術史』
* Jeremy Bernstein『心をもつ機械\UTF{FF0D}ミンスキーと人工知能』
  * 原題はMind and Machine: Profile of Marvin Minskyみたい.GEBの影響を強く受けている.オートマトンの歴史も触れてる.
* 『知られざるコンピューターの思想史 アメリカン・アイデアリズムから分析哲学へ』
  * 人物相関図を眺めるのは面白い.本書を特集している『フィルカル』と,このブログ記事(http://blog.livedoor.jp/iseda503/)を確認せよ.
* 『パーソナルコンピュータを創ってきた人々』
* 『コンピュータを創った天才たち』(1989年)
* 溝口文雄,『人工知能の研究者たち』(1990年)
* 『実録!天才プログラマー』(1987年)
* スティーブン・メインズ,ポール・アンドルーズ『帝王の誕生ーマイクロソフト最高経営責任者の軌跡』(1995年翻訳)
  * ビル・ゲイツ伝.
* クラーク・R・モレンホフ『ENIAC神話の崩れた日』
  * 「科学史研究」1995年第34号(pp.43-44)で紹介されていた.
* 長谷川裕行『ソフトウェアの20世紀:ヒトとコンピュータの対話の歴史』(2000年)
* 『ディープ・シンキング\UTF{FF0D}知のトップランナー25人が語るAIと人類の未来』
  * ジューディア・パールやロドニー・ブルックスやピーター・ギャリソンなど,様々な分野の有名人が多数.サイバネティックスに関して多様な視点から.
* 村上陽一郎『科学・技術の二〇〇年をたどりなおす』「第4章 0と1で世界を認識する\UTF{FF0D}情報をめぐる科学・技術」
  * 情報理論まわりがメイン
* 廣野喜幸「情報科学の歴史(1)ー情報科学の成立 1936-48」,「情報科学の歴史(2)ー初期コンピュータのソフトウェア(3)」
* 伊藤和行「電子暗号の発展\UTF{FF0D}秘匿と認証」
* 伊藤和行「フォン・ノイマンとマカロック‐ピッツ・モデル : オートマトン理論の誕生」(2008)
* 廣島文生『双書19・大数学者の数学 フォン・ノイマン(1) (2) (3) 』(2021)
* David Bodanis『電気革命:モールス,ファラデー,チューリング』
* ブルース・コリアー『チャールズ・バベッジーコンピュータ時代の開拓者』
* 「Babbageの誕生日はいつ?」『科学史研究』(1992年,vol. 31, no.182, p.115)
  * 1790年,1791年,1792年説があるようで,立場ごとに辞典を分類している.偶然目に入っただけ.
* 『電子の巨人たち』
* 『織物の文明史』
  * 『カッツ 数学の歴史』にも論文が所収されている著者による書籍.パンチカードシステム等に関心があれば.
* シャロン・バーチェ・マグレイン著,冨永星訳『異端の統計 ベイズ』
* Michael Friendly, Howard Wainer『データ視覚化の人類史ーグラフの発明から時間と空間の可視化まで』
* 青木洋「日本のコンピュータ産業形成史:技術開発と産業形成の日本的特質」
  * 1997年に書かれた博論.イギリスのコンピュータ産業史など,卒論に使えたかも.
* 「技術と文明」
  * コンピュータ史資料とヒストリオグラフイーについて(1)(2)(3)/ 後藤邦夫
  * 電電公社のDIPS-1計画と日本におけるソフトウェアエ学 / 佐藤靖
* W.Aspray, 「電気技術史委員会 インタビューして先達の動機や個性浮き彫りにーIEEE歴史センターのアスプレー所長に聞く」『電気学会誌』115(1), 1994年12月,pp.49-53.
  * 未確認.90年代の「科学史研究」で「電気技術史」の文献として紹介されていた.
* Daniel R. Headrick『インヴィジブル・ウェポン\UTF{FF0D}電信と情報の世界史1851\UTF{2013}1945』
* Arild Stubhaug,『数学者ソーフス・リー:群とリー環の誕生』 
* 『日本ゲーム産業史\UTF{FF0D}ゲームソフトウェアの巨人たち』
* 岩崎夏海・稲田豊史『ゲームの歴史』
  * 今後に活かすために歴史を見るという,あとがきの文章,遡及史観に陥りやすいけれど,ちょっと気に入っている.
* サイモン・ラヴィントン『コンピューターの誕生\UTF{FF0D}イギリスを中心に』
  * ハードウェアが主の昔ながらのコンピュータ史という感じだが,イギリスを中心に扱っている訳書という点は少し珍しい.エリオット・ブラザーズ社に一章分割かれている(短いが).卒論で参考にすればよかった.
* 安岡孝一,安岡素子『キーボード配列QWERTYの謎』
* 竹内伸著,東京理科大学出版センター編『実物でたどるコンピュータの歴史』
* 松尾博志『電子立国日本を育てた男ー八木秀次と独創者たち』
* 『日本のコンピュータの歴史』
* 『日本のコンピュータ発達史』
  * 索引がない...
* 『日本のコンピュータ史』
* 『情報処理学会30年のあゆみ:活動の軌跡と技術展望』
* 『僕らのパソコン30年史』
* 米田明『パソコンの歴史と共に40年 \UTF{FF5E}パソコン用業務ソフト開発会社の軌跡\UTF{FF5E}』(2022年)
* 『80年代マイコン大百科』
* 『インテル8080伝説』
  * ちゃんと読んでいません
* Mike Gancarz『UNIXという考え方\UTF{FF0D}その設計思想と哲学』
  * ちゃんと読んでいません
* 中野明『IT全史:情報技術の250年を読む』
* マーガレット・オメーラ『The CODE シリコンバレー全史 20世紀のフロンティアとアメリカの再興』(2023年12月)
* 金杉高雄「理論言語学史\UTF{FF0D}変形文法から生成意味論そして認知言語学へ」『認知言語学論考 No.17』
  * 言語学の歴史や論理学の歴史のまとまった書籍をご存知の方,教えていただけるととっても嬉しいです.ミルカ・イヴィッチの『言語学の流れ』(1974年翻訳)が古いけどまとまっていたような記憶あり.
* Emily Grumbling, Mark Horowitz編『米国科学・工学・医学アカデミーによる量子コンピュータの進歩と展望』
* 大谷卓史「コンピューティングの歴史記述のための序論—『誰が(本当に)コンピュータを開発したのか』という問いの意義と限界」2010
* 中根美知代「最近の数学史の研究方法:数学史のオリジナリティーとは何か」
  * 数学史研究の取り組み方,資料の探し方など.2002年でちょっと古いけど.
* J・D・ボルター『チューリング・マン』
* 松尾豊監修『角川まんが学習シリーズ まんが人物伝 アラン・チューリング AIの礎を築いた天才数学』(2024年1月24日)
  * まだ未確認.

その他一層個人的なめも

 * ゲーデル『数学基礎論\UTF{FF0D}撰出公理及び一般連続仮説の集合論公理との無矛盾性』伊藤書店
 * ゲーデル『ゲーデル未刊哲学論考』ロドリゲス・コンスエグラ編,好田順治訳
   * 「数学は言語の統辞論であるか?」など
 * フレーゲ『現代哲学基本論文集Vol.1』坂本百大編
 * タルスキ
 * カントール
 * デデキント
 * コーエン
 * ヒルベルト
 * 杉浦光夫編『ヒルベルト23の問題』
   * 23の問題それぞれを,竹内外史,小林昭七,杉浦光夫,田中一之,一松信,永田雅宜らが解説.
 * ペアノ
 * ベルナルト・ボルツァーノ
 * コルモゴロフ
 * ブール
   * 『論理の数学的分析ー演繹的推論の計算に関する試論』末木剛博監修,西脇与作訳,1977年
     * ブールの主著はThe Mathematical Analysis of Logic (MAL), 1847とAn Investigation of the Laws of Thought(LT), 1854の2つに過ぎないようだ.本書は前者MALを訳したもの.MALの翻訳は100ページ程度.
 * クリーネ
   * 『数学的論理学 上・下』
 * M.デーヴィス
   * 『計算の理論』(渡辺茂,赤攝也訳)
 * 『言語哲学重要論文集』
   * フレーゲ「意義と意味について」,ラッセル「表示について」,クワイン「量化子と命題的態度」,クリプキ「信念のパズル」など.
 * クワイン『現代論理入門<ことばと論理>』,1972翻訳(by杖下隆英)
   * 『論理学の方法』よりも優しかった記憶がある.
 * クワイン『論理学の方法』,1978翻訳
 * クワイン『論理的観点からー論理と哲学をめぐる九章』(1972, )1992翻訳
   * 「言語学における意味の問題」,「数理論理学の新しい基礎」,「意味と存在的推論」などの章立て.
 * クワイン『ことばと対象』,1984翻訳
 * クワイン『集合論とその論理』1968翻訳
 * クワイン『論理学の哲学』,1972翻訳
   * 訳者後書きでも言及されているが,論理学を踏まえた上での哲学である.
 * クワイン『現代哲学基本論文集Vol.2』坂本百大編
 * クワイン『哲学辞典:AからZの定義集』
   * TAPLを読んでいて出会った.
 * 丹治信春著『クワイン:ホーリズムの哲学』
   * 巻末に主要著作ダイジェストやキーワード解説や読書案内などもある.
 * ウンベルト・エコ著,谷口伊兵衛訳『記号論入門ー記号概念の歴史と分析』
   * ちゃんとは読めていないが,今まで目にした記号論の本の中で多分2番目にしっくりきた.
 * モリス『記号理論の基礎』原著1938年,1988年翻訳
   * Zemanekも引用していたし,ぱらっと読んだ感じ面白そう.
 * クリプキ『名指しと必然性』
   * ぱらっと開いたら,ゲーデルについてよく言及していた(雑感).
* デイヴィッド・ルイス『世界の複数性について』
* カルナップ『論理的構文論・哲学する方法』
  * 「形而上学の排除」,「言語の論理的構文論」,「科学の方法としての構文論」という章立て.全体的には今欲しているものとはちょっと違う印象.第2章冒頭,「意義や意味にどんな言及もしないような言語的表現に関する考察や立言を「形式的」とよぶことにする.」
* 松阪陽一編『言語哲学重要論文集』
   * フレーゲ「意義と意味について」,ラッセル「表示について」,クワイン「量化子と命題的態度」,クリプキ「信念のパズル」など.
 * 『現代哲学基本論文集1,2』
   * 確かタルスキの論文とか.
 * ヤン・ウカシェーヴィチ著,高松鶴吉訳『<近代ポーランド論理学の原典>数理論理学原論』
   * 「ウカシェーヴィチの演繹理論体系の独創的な講義を含」むらしい.解説として,「近代ポーランド論理学におけるヤン・ウカシェーヴィチの先駆的業績について」がある.原著は1929年っぽい.
 * ライプニッツ
   * ライプニッツ全集 第\UTF{2160}期第1,2,3,10巻を見よ(特に第1巻).
 * フッサール
   * 『形式論理学と超越的論理学』
     * 章立てとか面白そうだったから,再び確認するだろう.
   * 『幾何学の起源』
     * 青土社のは,デリダが250ページくらい序説を書き,フッサールの「幾何学の起源」は50ページほど.中公文庫の方にも所収されている.
   * 以上.
 * ラッセル
   * 『数理哲学序説』『数理哲学入門』『数理哲学概論』
 *  足立 恒雄・杉浦 光夫・長岡 亮介編訳『リーマン論文集』
   * 「幾何学の基礎にある仮説について」,「耳の力学」,「心理学生物学草稿」,「自然哲学の数学的新原理」なども書いてるのね.
 * ウィトゲンシュタイン
   * 『小学生のための正書法辞典』講談社学術文庫
 * ポアンカレ
   * 『科学と仮説』
   * 『晩年の思想』
     * 第4章「無限の論理」,第5章「数學と論理」を確認.
   * 以上.